但し、これはあくまでも暫定措置。何故なら、今後短いスパンで大きく状況が変化すると予想されるからである。即ち、10月の時点で、近い将来にテザリング可能なSIMフリーのスマートフォンが国内で販売されるかもしれないと予想していたので、とりあえずの措置として上記の構成にした。Wifi機器をレンタルにしたのも、SIMを2年縛りとかと無縁な日本通信にしたのも、暫定だからという面が大きい。
b-mobileと言えば最大のネックはやはり通信速度の遅さ(上り・下りともベストエフォートで300kbps)なのだが、通勤時に最も使っているのはtwitterなので、さほど苦にならない。またWebブラウジングをする際でも、プロクシを設定すると実効速度が2倍以上になるので、まぁ許容範囲内である。例えばkikulogなんかだと1000コメント以上あるエントリなんかはそれなりに待たされるが、それでもページの大部分がテキストなので、何とかなる。私の結論としては「それなりに使える」である。
ついでに昔話をすれば、インターネットの黎明期にはアナログモデム+従量制でやっていたのだから、それに比べれば多少の待ち時間はどうって事は無い(そう言えば音響カプラも買ったけど、結局一回も使わなかった)。ちなみにその時に使っていたモデムは9600bps、つまり9.6kbpsでしかない。ISDN回線の64kbpsが羨ましくて仕方なかったのだが、その後アナログモデムの性能も向上して、理論限界と言われる56.6kbpsのものが出てきた。しかし待ち切れ無かった私は、その少し前に28.8kbpsのモデムを買ってしまったので、暫くの間それを使っていた。
その頃と比較すれば、今の状況は格段にマシである。なので、個人的には、無闇に高速化を競うよりも、安定して繋がる方を優先させて欲しいと思う。
ポイントは「テザリング」と「SIMフリー」である。テザリングとは要するにスマートフォンをモバイルWifiルータにする機能であり、本来はiPhone4にもAndroid2.2にも搭載されている筈のものである。これがあれば、わざわざWifiルータを持ち歩く必要は無くなる。今も昔も、モバイラーの最大の悩みは「如何にして持ち歩くアイテムを減らすか」ではないだろうか。その意味で、Wifiルータを減らせるのは大きい。しかしながら、現在のところ、国内のキャリアから発売されているスマートフォンでテザリング機能が使える物は殆ど無い。個人的な推測だが、これには大きく2つの理由があると考える。
1つ目は、トラフィックの増大である。テザリングが使えれば当然の様に通信料が増え、今よりも混雑すると予想される。
2つ目の、より本質的と思われる問題は、料金プランと通信料、そしてマーケティング戦略である。例えばドコモでは、パソコンに繋いでデータ通信をする場合は、パケ・ホーダイの上限金額が2倍に跳ね上がる。この状況を維持するならば、スマフォのテザリング機能にも同様の課金をすべきな訳だが、スマフォを売り込みたい側としては、そんな事はしたくないし、スマフォが売れてもデータ通信カードやWifiルータが売れなくなるのは困る。
そして、この問題はSIMフリーとも関連してくる。おそらくどのキャリアも本音を言えばSIMフリーなど進めたくは無いのだろう。ドコモがSIMフリーを推進する態度を示したのも結局はiPhoneやiPadを使いたいからだったと意地悪に解釈すれば、Android携帯が好調な現状に於いては、無理にSIMフリーを推し進める理由は少ないと言える。とは言え、一旦は口にしたものを全く無視する訳にもいかないので、他機種との競合が少ないWifiルータだけSIMフリーにしてみせた、というところではないだろうか。イー・モバイルがPocket WiFi SをスマフォではなくあくまでPocket WiFiの後継機と位置付けているのも、おそらく同様の理由によるものであろう(但し上述の如く実質的にはSIMフリーかつテザリング搭載のスマフォなので、この機種自体は支持したい)。
そんな訳で、国内キャリアのスマフォにはなかなか食指が動かなかったのだが、結論から言うと、Camangi社のFM600を購入し、そこにb-mobileのSIMを差して使っている。まださほど使い込んでいないのだが、これがなかなか快適なので、(その3)では使用感をレポートしようかと思う。
とは言え、御覧の様に遅筆なので、おそらく今更感満載のレポートになる可能性が極めて高いと予想されるが、そこはひとつ、広い心でお許し頂きたい。
それでは皆様、良いお年を。
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