コミケを風疹から守り隊

2013年10月20日日曜日

近藤誠氏の「がんもどき理論(仮説)」の誤りと危険性

初回公開日:2013年10月20日
最終更新日:2013年10月30日
(2文字追加「遺伝子→遺伝子発現」しました。また「7.おまけ」を追記しました)


1.「がんもどき理論(仮説)」とは何か?

「がんもどき理論(仮説)」とは、慶応大学の放射線科医である近藤誠氏が言い出した事です。彼自身は「理論」だと主張していますが、私は単なる「仮説」だとみなしています(理由は後述)。
まずここでは、その内容をなるべく端的に示してみましょう。

1)がんには「がんもどき」と「真のがん」の2種類があるが、これらは見掛け上区別できない。
2)「がんもどき」は増殖速度もゆっくりで、浸潤も転移も起こさない。
3)従って「がんもどき」は慌てて治療する必要は無く、どうしても気になるなら、大きくなってから治療すれば良い。
4)「真のがん」はごく初期から浸潤・転移を起こす。
5)従って「真のがん」は発見された時点で既に治療しても無意味(生命予後を改善しない)である。
6)以上より、がんの早期発見・早期治療は無意味である。

この理論(仮説)には幾つものツッコミどころがありますので、以下に順次記載していきます。

2013年8月1日木曜日

S02-01: 科学の方法、その特徴(特に「実験で証明する」という事について)


初回公開日:2013年07月31日
最終更新日:2013年08月01日

1.簡単な科学の方法論

ごく単純化すれば、科学の方法論は、3つのステップからなります。
それは「観察」「推論」「検証」の3つです。
つまり、物事や現象を観察し、その仕組みや成り立ちについての論理的な推測を行い、それを客観的手法によって検証するというものです。

でも、それって、別に科学に限った事じゃないでしょう?例えば犯罪捜査とか」と思った方もいらっしゃるかもしれません。確かにそれは鋭い指摘です。あくまで個人的意見ではありますが、その様な方法が重視される様になってきたからこそ、近代の犯罪捜査では「科学的捜査」が大切になってきたのだと信じています。例えば「その辺を歩いている怪しそうな奴を強引に連行して自白するまで責め立てる」という様な「自白を極端に重視する前近代的な手法」は、科学的ではないですよね。

ちょっと脱線しました。
各ステップの解説は次項で行いますが、その前に全体を通じた顕著な特徴を述べておきましょう。それは、科学の方法は「サイクル的」もしくは「スパイラル的」であるという事です。これには2つの意味があります。
1つは「科学の検証は繰り返し繰り返し行われる」という意味です。一度で証明終わりとはなりません。現在「確立された科学的事実」とされているものは、何度も何度も検証される事によって、事実である確率が極めて高くなったものです。従って、確かに従来の「科学的事実」が覆る可能性も無い訳ではないとは言え、それは、これまでに行われてきた全ての検証をひっくり返す事になります。ですから、生半可なものではない、極めて強力な証拠が必要です。たとえニセ科学の人が「現代科学は万能ではない」などと(それ自体は間違いではない)台詞を口にしたところで、事実としては小揺るぎもしません。
勿論、科学的な手法を用いても、間違えることだってあります。間違いの可能性は完全にゼロにはなりません。しかし、上述の客観的な検証を繰り返し行うというシステムが、間違いを修正し正しさの可能性を更に上げ続けていく機能を担っているのです。この「科学は時に間違える。だけど間違いは修正される」というのは大切なポイントです。ニセ科学は間違えません。何故なら、自らの誤りをなかなか認めないからです。
2つめの意味は「検証が次の推測に繋がり、それが次の検証につながり・・・と連綿と続いていく」という意味です。一つの科学的事実が明らかになれば、それに基づいた新たな推測が可能になります。その推測は、これまで観察されていても未解明だった現象を説明できるものかもしれません。であれば、新たな推測は検証の対象になります。上で述べた「スパイラル的」という表現は、こうしたプロセスを意識しています。
この様にして科学(的な手法に基づく人類の叡智)は発展してきました。

以上をまとめると「科学的手法とは、自己修正機能と自己発展機能の両者を兼ね備えたシステムである」と言えるでしょう。

2013年6月26日水曜日

ネットでの炎上と自殺について

初回公開日:2013年06月26日
最終更新日:2013年06月26日


1.はじめに(本記事を書いた動機)

既に報道されている通り、病院批判によりブログが炎上した岩手県議が2013年6月25日に死亡し、自殺の可能性も取り沙汰されています。
まずは遺族と関係者の方々にお悔やみを申し上げます。
簡単に経緯を書きますと

自ブログで県立病院を批判→炎上→ブログ上にて謝罪→炎上止まず→ブログ閉鎖→記者会見にて謝罪→TVでも取り上げられる→死亡

という流れです。
私自身も「週間PseuDoctor」において彼の行動を批判しました(この発言から続く2つの呟きです)ので、直接関わっていないとはいえ、炎上に関しては責任が皆無とも思いません。その点を認識したうえで(認識したからこそ)、今回は「炎上と自殺」について少し書いてみたいと思います。

2013年6月19日水曜日

富山大学の林衛准教授に対する批判(縮退編)


初回公開日:2013年06月19日
最終更新日:2013年07月01日

(この記事は「発動編」の続きです。まだの方は、発動編から先にお読み頂けると幸いです)


2013年5月29日水曜日

富山大学の林衛准教授に対する批判(発動編)


初回公開日:2013年05月29日
最終更新日:2013年06月19日


1.はじめに

1)本記事を書いた動機
先日(と言っても今年の3月ですから、もう2ヶ月以上経ってしまいましたが)私がTwitterで呟いている【週間PseuDoctor】での林衛氏への批判がAerospaceCadetさんによってまとめられました。このまとめ、意外と多くの方々が御覧になった様です。
考えてみると、林衛氏のデタラメぶりは、これまでにも何度かまとめられています。玉石混交かもしれませんが、Togeterを「林衛」で検索しただけでも結構あります。またBROGOSにこの様な批判記事を書かれた方もいらっしゃいます。
これらを一通り読めば、林氏がどういう方か何となくでも見えてくるでしょう。しかし、全部目を通すのも大変ですので、私の目から見てまとめたものがあっても良いのかな、などと思い始めました。
という訳で、毎度遅筆な自分に鞭打って、批判記事を書く事にした次第です。Twitterでも「ブログ記事が10本は書けるだけのネタは仕込んである」なんて吹いちゃった以上、このままにしとくのはカッコ悪い気もしますので(^^)

但し、10本分のネタを凝縮したにも等しい内容なので、今回も長いですよ。しかも書いていくうちにどんどん長くなってしまったので、2本に分けました。今回が「発動編」、次回が「縮退編」です(名称に深い意味はありません)。それでもまだ十分に長いので、覚悟してお読みください(爆)
一応、章分けしてありますので、一辺に読むのが大変なら少しずつ読み進めてもいいでしょう(^^)
なお、本文中には沢山のリンクがありますが、一応リンク先を見なくても話が通じる様に書いてあります。お時間と興味のある方だけ、リンク先を御覧頂ければ、と思います。

2013年4月1日月曜日

アイス大好き!

初回公開日:2013年04月01日
最終更新日:2013年04月01日

本日は4月1日であり、その意味で、この記事はウケを狙っています。
しかしながら、本記事には虚偽もオチもありません。記載内容は全て真実です。
ただ、アイスを愛する気持ち(^O^)に満ち溢れている点だけは保証します。

1.セクシーな食べ物

随分昔の事で記憶も定かでは無いのですが「アイスクリームってとてもセクシーな食べ物」という一文を読んだ事があり、心から
同意したものでした。
えっ「どうセクシーなのか」って?そりゃぁ、

ひと匙すくって口に入れると、
最初は硬くて冷たくて、
食べられるのにちょっと抵抗する様な素振りを見せるけれど、
すぐに柔らかな舌触りに変わり、
みるみるうちにフワ~ッと溶けて、
口の中に甘い味と香りだけを残して消えていく・・・

ね、セクシーだと思いません?

で、確か、その同じ文章の中に「お昼をアイスクリームだけで済ます」って話があり、それを読んで以来やりたくて仕方がなくなりました。とうとうある休みの日、近所のスーパーへ行き(当時はハーゲンダッツなんて手に入らなかったので)売ってる中で一番高い「レディーボーデン」の470mlのやつを買ってきて、お昼に食べました(本当はもっと食べたかったけど、お財布が許してくれませんでしたorz)。やっぱり量はちょっと物足りなかった。それでも一度やってみたので、ある程度は気が済みました(^^)。

えっ「ソフトクリームの方がもっとセクシー」ですって?
いやいや、それって多分「ソフトクリームそのもののセクシーさ」とは別の話でしょ、エッチ。

2013年3月11日月曜日

あの日から2年


初回公開日:2013年03月11日
最終更新日:2013年03月11日


1.お悔やみとお見舞い(とお祝い)

東日本大震災から、今日で丸2年です。
2年という事は、仏教的に言えば、亡くなられた方の三回忌に当たります。
改めて、亡くなられた方々(勿論、仏教徒でない方も含めて)へのお悔やみを申し上げます。
また、被災された全ての方々へ、お見舞い申し上げます。
併せて、本日が誕生日である方をはじめ、記念日である方々には、心よりお慶び申し上げます。

2.個人的に願う事

私には個人的に願っている事が幾つかあります。以下にそれらを列挙します。

2013年2月5日火曜日

経済メモ:景気・金融・財政などの話(アベノミクスで景気は回復したか?)


初回公開日:2013年02月05日
最終更新日:2020年09月03日

1.はじめに

第二次安倍政権が2012年12月に発足し、いわゆる「アベノミクス」と呼ばれる一連の経済政策が示されました。そして、その直後から株価は復調し円高も是正される傾向にありました。これはおそらく、少なからず「期待感」による部分があるのだと推測します。
では何故「アベノミクス」によって景気が回復すると期待されたのでしょうか。
そして何故「アベノミクス」は腰折れしてしまったのでしょうか。
今回はそのあたりを理解する一助になればと思い、主に「金融緩和をすれば景気が良くなるのか」という点を中心にして、ごく基本的な部分(つまり私が理解している範囲内の内容)を述べたいと思います。

当ブログには少数ながら「経済」タグの記事がありますが、総じてアクセスは少なめです(笑)。それも当然と言えば当然かもしれません。しかし、それでもやっぱり「書いた以上はなるべく多くの方々に読んで頂きたい」と思うのも人情です。
という訳で、宜しければそちらも併せてお読み頂ければ幸いです。
私は経済については勉強中の素人ですから、もしもおかしな点があればツッコミを歓迎します。

また、念の為付け加えておきますと、私は安倍政権には大きな問題があると考えています。
少なくとも教育分野に関しては、はっきり「トンデモと言っても構わないレベルだと判断しています。
また憲法改正に関しても賛同できない事ばかりです。
更に言えば、ここで取り上げる「アベノミクス」ですら、財政政策に関しては問題ありと考えます。
しかし、それらの問題点を別にしても、金融政策は強く支持します。これは是々非々です。
以上の点を御理解の上で、お読み頂ければ幸いです。
ちなみに今回も、ちょっと長めです(^^;これでも削ったんですけどね。